後の証文より先の念仏
読み方:のちのしょうもん より さきのねんぶつ
意味
後日になってから受け取る証文や、将来の利益を約束する言葉よりも、たとえ小さくても今すぐ得られる確かな利益のほうがありがたい、という意味。先の不確かな約束より目先の実利を重んじることをいう。
由来
成立した正確な時期や最初の出典は明らかではない。証文は金銭の貸借・支払いなどを約束する文書、念仏は仏を念じて唱える言葉を指す。「後で得られる証文」と「今すぐ唱えてもらえる念仏」を対比し、将来の約束より現在の利益を選ぶたとえとして生まれた。近世以降、上方いろはかるたの「の」の札としても知られる。
備考
将来の約束を軽視するというより、先行きが不確かな場合に、現在得られる確実な利益を優先する場面で用いる。短期的な利益だけを求める態度を批判的にいうこともある。
誤用・混同注意
- 「念仏は証文より常に優先される」という宗教的・法律的な教えではない。将来の不確かな約束より、現在の確実な利益を重視するたとえである。
例文
- 取引先が来月の支払いを約束しても、資金繰りに困っている今は後の証文より先の念仏だ。
- 将来は大きく報いると言われたが、彼は少額でも今日支払ってもらうことを選んだ。後の証文より先の念仏というわけだ。
- 口約束だけで待たされるより、目の前の確実な支援を受けたいというのは、後の証文より先の念仏の考え方である。
分類
類義語
- 明日の百より今日の五十
- 明日の百両より今日の一文
- 先のことより今のこと
対義語
対比・対照ことわざ
- 明日の百より今日の五十
- 今日の一針、明日の十針