天高く馬肥ゆ
読み方:てん たかく うま こゆ
意味
秋になると空が澄んで高く見え、馬も食欲を増して肥えるほど、気候がよく実り豊かな季節であるという意味。現在は、さわやかで食べ物のおいしい秋を表す言葉として用いられる。
由来
中国の歴史書「漢書」匈奴伝にある「秋高馬肥、変必起矣(秋高く馬肥ゆれば、変必ず起こる)」に由来するとされる。「漢書」は後漢の班固らによって1世紀ごろに編纂された。原文は、秋になって騎馬民族の馬が肥えると侵攻の危険が増すため警戒すべきだ、という意味だった。日本では秋の好季節を表す表現として定着した。
備考
通常は「天高く馬肥ゆる秋」の形でも用いる。現代日本語では食欲の秋・実りの秋をたたえる表現だが、原典には異民族の侵攻を警戒する文脈がある。
別表記
- 天高く馬肥ゆる
- 天高く馬肥ゆる秋
- 天高馬肥
誤用・混同注意
- 原典の「馬肥ゆ」は、秋に馬が肥えて騎馬民族の侵攻力が増すことへの警戒を含む。単にのどかな秋の情景だけを述べた言葉だったとするのは不正確。
- 「馬肥ゆ」は馬が自然に肥えるという意味であり、「馬を肥えさせる」という他動的な意味ではない。
例文
- 空が青く澄み渡る今日のような日は、まさに天高く馬肥ゆという言葉が似合う。
- 天高く馬肥ゆる秋だからといって、食べ過ぎには気をつけよう。
- 収穫祭の季節になると、天高く馬肥ゆを実感する。