古人の糟魄を食う
読み方:こじん の そうはく を くう
意味
昔の賢人が残した書物や言葉を、表面的に読むだけで、その人の真意や生きた知恵を理解しないこと。「糟魄」は酒かすやぬかのような、残りかすをいう。古典や先人の説を盲目的に受け売りする態度を批判していう。
由来
中国の古典『荘子』天道篇に由来する。戦国時代(紀元前4〜3世紀ごろ)の思想家・荘子に仮託された説話で、斉の桓公が書物を読んでいるのを見た車輪職人の輪扁が、書物に残っているのは古人の「糟魄」、すなわち残りかすにすぎないと述べた故事から。日本では漢文の成句として定着した。
備考
「糟魄」は「そうはく」と読み、酒かす・ぬかなどの残りかすの意。古典研究そのものを否定する語ではなく、内容を主体的に理解せず、形だけを受け継ぐ態度を戒める表現である。
別表記
- 古人の糟粕を食う
- 古人の糟魄を食らう
- 古人の糟粕を食らう
誤用・混同注意
- 「古人の知恵を学ぶ」という肯定的な意味ではない。古人の言葉を表面的に受け売りすることを批判する表現である。
- 「糟魄」を『そうはく』ではなく『そうかす』などと読むのは誤り。
例文
- 原典を読まずに解説書の文句だけを繰り返すのは、古人の糟魄を食うような学び方だ。
- 先人の学説をただ暗記するだけでは、古人の糟魄を食うことになりかねない。
- 古典を現代の問題に照らして考えなければ、古人の糟魄を食うにとどまってしまう。
分類
類義語
- 糟粕をなめる
- 文字の奴隷になる
- 旧套を墨守する
- 陳言をなぞる
対義語
対比・対照ことわざ
- 温故知新
- 古きをたずねて新しきを知る