古を稽えて今に照らす
読み方:いにしえを かんがえて いまに てらす
意味
昔の出来事・制度・先例を十分に調べ、それを手がかりとして現在の状況を考え、判断や対策に役立てるという意味。過去をただ懐かしむのではなく、歴史から教訓を得て現代を見通すことをいう。
由来
『日本書紀』の神功皇后摂政前紀に見える「古を稽へて今に照らすに…」という表現に基づく。「稽える」は古い事柄をよく調べ考える意。『日本書紀』は奈良時代、養老4年(720年)に成立したため、この表現も少なくとも8世紀初頭には文献上確認できる。
備考
「稽える」は「かんがえる」と読み、詳しく調べて考察する意。現代の日常会話より、歴史研究・教育・政策論などで用いられる格調高い表現である。
別表記
- 古を稽へて今に照らす
誤用・混同注意
- 「稽える」を「けいえる」などと読まない。ここでは「かんがえる」と読む。
- 単に古いものを尊重し保存するという意味ではない。過去の事例を現在の判断に生かすという意味である。
- 「温故知新」と近いが、「新しい知識を得る」ことよりも、過去を現在に照らして考える点に重点がある。
例文
- 新しい制度を導入する前に、過去の改革の成否を検証するのは、まさに古を稽えて今に照らす姿勢だ。
- 地域の災害史を調べて避難計画を立てることは、古を稽えて今に照らす実践といえる。
- 歴史資料を授業で扱う際は、古を稽えて今に照らすという観点から、現代社会とのつながりも考えさせたい。
分類
類義語
対義語
- 過去を顧みない
- 歴史に学ばない