危うきこと累卵の如し
読み方:あやうきこと るいらんの ごとし
意味
物事の状態が、積み重ねた卵のように少しのきっかけで崩れかねないほど、きわめて危険で不安定であること。組織・政権・経営・計画などが破綻寸前の状況をいう。
由来
中国・前漢の司馬遷が紀元前1世紀ごろに著した「史記」の「范雎蔡沢列伝」に由来する。蔡沢が秦の宰相である范雎に対し、「君之危若累卵矣(君の危うきこと累卵のごとし)」と、その地位が積み上げた卵のように危ういと説いた故事を日本で訓読して定着した表現である。
備考
「累卵」は卵を幾重にも積み重ねること。「卵が多数ある」という意味ではない。漢文調の硬い表現で、日常会話より評論・演説・文章で用いられる。
別表記
- 危うきこと累卵のごとし
- 危きこと累卵の如し
- 累卵の危うき
誤用・混同注意
- 「累卵」を単に『卵がたくさんあること』と解するのは誤り。卵を積み重ねたように、わずかな衝撃で崩れそうな不安定さを表す。
- 危険がいくつも重なっているという意味だけではなく、全体が破綻・崩壊寸前である状態をいう。
例文
- 相次ぐ不祥事で支持を失った政権は、まさに危うきこと累卵の如しであった。
- 資金繰りが悪化し、主要取引先まで離れたこの会社の経営は、危うきこと累卵の如しだ。
- 安全点検を怠ったまま運用を続ければ、その計画は危うきこと累卵の如しとなる。
分類
類義語
対義語
- 泰山の安きに置く
- 盤石
対比・対照ことわざ
- 泰山の安きに置く