借家栄えて母屋倒る
読み方:しゃくや さかえて おもや たおる
意味
借家人・分家・使用人など、本来は主となる側に従属する立場の者が繁栄する一方で、家主・本家・主人など中心となる側が衰えることのたとえ。転じて、周辺的な組織や部門が伸び、中心の組織や本体が弱る状況をいう。
由来
「借家」は借りて住む家、またはその借家人側を、「母屋」は家の中心となる建物、転じて家主・本家を表す。借家側が栄える反面、母屋が倒れるという対照的な情景から生まれたたとえである。上方いろはかるたの「し」の札として伝わる。個別の初出年は明確でないが、いろはかるたが広まった江戸時代(17~19世紀)には定着していたと考えられる。
備考
実際の賃貸住宅の話に限らず、本家と分家、主人と使用人、親会社と子会社など、従属側が伸びて中心側が衰える関係をいう。現代ではやや古風な表現。
別表記
- 借家栄えて母屋倒れる
- 貸家栄えて母屋倒る
誤用・混同注意
- 借家という建物が繁盛して母屋が物理的に倒壊する、という字義どおりの意味ではない。借家人側・従属側の繁栄と、家主側・中心側の衰退をいう。
例文
- のれん分けした支店が全国的に成功した一方、本店は客足を失った。まさに借家栄えて母屋倒るだ。
- 子会社の業績ばかりが伸び、親会社が赤字に苦しむ現状は、借家栄えて母屋倒るを思わせる。
- 弟子たちが次々に名を上げる一方で師匠が困窮するとは、借家栄えて母屋倒るというものだ。