人の将に死なんとするや、その言や善し
読み方:ひと の まさに しなんとする や、その げん や よし
意味
人は死を間近にすると、利害や見栄から離れ、心からの善意や誠実な言葉を述べるようになる、という意味。死に際の人の言葉には重みがあり、真摯に聞くべきだという教えである。ただし、臨終の言葉が常に事実であることを保証する意味ではない。
由来
中国の儒教経典『論語』泰伯篇第八にある、曾子(そうし)の言葉に由来する。原文は「鳥之将死、其鳴也哀。人之将死、其言也善」で、鳥は死に際に悲しげに鳴き、人は死に際に善い言葉を言う、という趣旨である。『論語』は孔子(紀元前551~479年)とその弟子たちの言行を、戦国時代ごろ(紀元前5~3世紀ごろ)に編集したとされる。
備考
漢文の訓読調による表現で、日常会話ではあまり用いない。死に際の言葉を尊重する教えとして使われるが、文字どおり「死ぬ人の発言はすべて真実」という意味ではない。
例文
- 重病の祖父が家族への感謝と今後の心得を語った。人の将に死なんとするや、その言や善しというように、皆が静かに耳を傾けた。
- 彼の最期の助言を軽く扱うべきではない。「人の将に死なんとするや、その言や善し」ともいう。
- 小説で、悪役が死の間際に自分の過ちを認めて謝罪する場面は、人の将に死なんとするや、その言や善しを思わせる。
分類
類義語
- 鳥の将に死なんとするや、その鳴くや哀し。人の将に死なんとするや、その言や善し
- 死に際の言葉