五月の鯉の吹流し
読み方:さつき の こい の ふきながし
意味
口ではもっともらしいことや威勢のよいことを言うが、実際には中身・実力・実行が伴わないこと。また、そのような人をいう。鯉の吹流しが大きく口を開けていても、胴の中は空であることにたとえた、やや批判的な表現。
由来
作者や正確な成立年は不明。端午の節句に立てる鯉のぼり(鯉の形をした吹流し)が、口を大きく開けて風を受ける一方で胴の中は空洞である姿から、口先だけで中身のない人をたとえたものとされる。鯉のぼりの習慣が広まった江戸時代の風俗を背景に生まれ、上方いろはかるたにも採用されて伝わった。
備考
人の発言や人物を「中身がない」と評するため、相手に直接使うと強い非難になりうる。現代の日常会話ではやや古風な表現で、上方いろはかるたの札としても知られる。
別表記
- 五月の鯉の吹き流し
誤用・混同注意
- 端午の節句の鯉のぼりを単にほめる表現だと解するのは誤り。口先だけで実質がないことを表す、批判的なことわざである。
- 「鯉のぼり」と同義の風物詩表現として用いるのは不適切。ことわざとしては人物や発言の中身のなさをたとえる。
例文
- 彼は事業を大きくすると言うが、具体策は何もなく、五月の鯉の吹流しだ。
- 会議で威勢のよい発言ばかりして、仕事をしないのでは五月の鯉の吹流しと思われる。
- 実績を示さずに理想だけを語れば、五月の鯉の吹流しと批判されかねない。