上善は水の如し
読み方:じょうぜん は みず の ごとし
意味
最上の善、すなわち理想的な生き方や徳は、水のようなものだという意味。水は万物を潤して利益を与えながら争わず、低い所にも身を置き、状況に応じて柔軟に形を変える。そのように、謙虚で他者を利し、争いを避けて自然に行動する姿勢を尊ぶ言葉。
由来
中国の古典『老子』(第8章)にある「上善若水(上善は水の若し)」に由来する。『老子』は伝説上は春秋時代(紀元前6世紀頃)の老子の著作とされるが、成立は戦国時代、紀元前4~3世紀頃とみる説が有力である。原文の「水善利万物而不争(みずはよくばんぶつをりしてあらそわず)」と続く思想が、日本では漢文訓読として「上善は水の如し」と読まれ定着した。
備考
「上善若水」とも表記する。単に「柔弱であれ」という意味ではなく、万物に利益を与えながら争わない、水の積極的な徳をたたえる道家思想の語である。
例文
- 部下の功績を自分の手柄にせず、皆が働きやすい環境を整える彼の姿勢は、まさに上善は水の如しだ。
- 意見が対立したときこそ、上善は水の如しという言葉を思い出し、相手を打ち負かすより全体を生かす方法を考えたい。
- 水が低い所へ流れて万物を潤すように、上善は水の如しの精神で、目立たない仕事にも進んで取り組んだ。