一切唯心造
読み方
いっさい ゆいしんぞう
意味
この世のあらゆる現象や認識は、心の働きによって生み出され、形づくられるという仏教の考え方。外界が心とは無関係に存在するというよりも、物事の見え方や苦楽は自分の心のあり方に大きく左右される、という意味で用いられる。
由来
仏教、とくに『華厳経』に見られる「一切唯心造」に由来する語。インドで成立した大乗仏教思想が中国で漢訳・発展する過程で広まり、日本には奈良時代(8世紀)ごろまでに華厳思想とともに伝来したと考えられる。すべての存在・現象は心によって造られる、という唯心的な教えを表す。
分類・由来
備考
主に仏教・哲学・自己修養の文脈で使う語。現代では「すべてが単なる気の持ちよう」という意味に狭めず、心の認識作用を重視する思想として理解するのが望ましい。
例文
- 失敗ばかりに目を向けず、受け止め方を変えれば状況も違って見える。一切唯心造ということだ。
- 彼は一切唯心造の教えを引き、苦しみを減らすにはまず自分の心を整えるべきだと説いた。
- 同じ出来事でも喜びにも不満にもなるのは一切唯心造で、心の持ち方が大切だ。
類義語
- 三界唯心
- 万法唯心
- 心生則種種法生
対義語
- 唯物論
- 物心二元論