魚遊濠上
読み方:ぎょ ゆう ごうじょう
意味
魚が水中をのびのびと泳ぎ、自然のままに楽しんでいるさまをいう。また、『荘子』の問答に基づき、他者が感じる楽しみや心の内を本当に知ることができるのか、という問題を示す語としても用いる。
由来
中国・戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』「秋水篇」に由来する。荘子と恵子が濠梁の上を歩いた際、荘子が水中をゆったり泳ぐ魚を見て「魚の楽しみだ」と言い、恵子が「あなたは魚ではないのに、どうして魚の楽しみを知るのか」と問うた故事による。「魚遊濠上」はこの場面を四字に縮めた表現である。
備考
「濠」は一般名詞の堀ではなく、中国の濠水・濠梁に関わる地名である。日常会話で頻用する語ではなく、故事・哲学・他者理解を論じる文脈で用いられる。
補足
- 「濠」を「壕」と書かない。ここでの「濠」は中国の濠水・濠梁に由来する。
- 単に「魚が遊ぶ」という意味だけに限定せず、『荘子』における他者の心を知り得るかという問答の含意にも注意する。
例文
- 休日は仕事を忘れ、川辺で魚遊濠上のような心持ちで過ごしたい。
- 授業では魚遊濠上の故事を取り上げ、他者理解の可能性について議論した。
- 水槽の魚がゆったり泳ぐ姿は、まさに魚遊濠上という趣がある。