雁杳魚沈
読み方:がんよう ぎょちん
意味
雁が遠く飛び去って見えなくなり、魚が水底に沈んで見えなくなる意から、相手からの手紙や連絡がまったくなく、消息が分からないことをいう。
由来
中国で、雁は手紙を運ぶ鳥、魚は書状をもたらすものとみなされた故事・詩文上のイメージに基づく。雁による伝書の説話は、前漢の蘇武の故事を記す1世紀ごろ成立の「漢書」などに見られ、魚と書信の結び付きも漢代以来の古楽府に見られる。雁が「杳(よう)」として姿を消し、魚が沈むため、便りが絶えたことを表すようになった。四字句そのものの初出年代は特定しにくい。
備考
現代の日常会話ではあまり用いられず、文章語・漢文調の表現である。単に返信が遅い場合よりも、長く連絡がなく消息不明である場合に用いる。
誤用・混同注意
- 「杳」は「よう」と読み、「がんしょうぎょちん」とは読まない。
- 雁や魚の生態を述べる語ではなく、通常は「便り・消息がない」ことの比喩として用いる。
例文
- 海外に移住した友人からは数年にわたり雁杳魚沈で、安否を案じている。
- 災害直後は通信網が途絶え、被災地の親族とは雁杳魚沈の状態だった。
- 何度も手紙を送ったものの返事はなく、二人の間は雁杳魚沈となった。
分類
類義語
- 音信不通
- 杳無音信
- 雁断魚沈
- 魚沈雁杳
対義語
- 雁書魚信
- 音信相通