釜中游魚
読み方:ふちゅうのゆうぎょ
意味
釜の中を泳ぐ魚のように、死や破滅が目前に迫り、逃げ場がなく助かる見込みがほとんどない状態をいう。差し迫った危険に置かれた人・組織・立場などをたとえる語。
由来
中国・後漢の故事に基づく。後漢の順帝の漢安二年(143年)ごろ、御史の張綱が広陵の反乱者・張嬰を説得した際、「魚が釜の中を泳いでいても、息が続くのはわずかな間にすぎない」という趣旨で諭したという。南朝宋の范曄が5世紀に編纂した『後漢書』張綱伝の「若魚游釜中、喘息須臾間耳」に由来する。
備考
主に文章語として用いる。「釜中の魚」ともいう。「游」は「泳ぐ」の意であり、単に不安な状況ではなく、破滅・死が差し迫った切迫した危機を表す。
別表記
- 釜中遊魚
補足
- 「かまなかゆうぎょ」とは読まず、標準的には「ふちゅうゆうぎょ」と読む。
- 単に魚が悠然と泳ぐ様子を表す語ではなく、逃れがたい破滅が目前に迫った状態をいう。
例文
- 敵軍に完全に包囲された城は、もはや釜中游魚の状態であった。
- 不正の証拠をすべて押さえられた一味は、釜中游魚の身となった。
- 資金も支援者も失ったその会社は、再建策を示せなければ釜中游魚といえる。