金蝉脱殻
読み方:きんせん だっかく
意味
セミが抜け殻だけを残して飛び去るように、見せかけや身代わりを残して相手を欺き、気づかれないうちに逃れたり、本来の目的を遂げたりする計略をいう。単なる逃走ではなく、相手の注意を別のものへ向ける策略を伴う。
由来
中国の兵法・計略に由来する語で、セミが殻を残して成虫となり飛び去る姿をたとえたもの。元代(13~14世紀)の関漢卿の雑劇『謝天香』に用例が見られ、のちに中国の兵法書『三十六計』の第二十一計「金蝉脱殻」として広く知られるようになった。『三十六計』の現行のまとまった形の成立時期には諸説あるが、明末から清代ごろとされることが多い。
備考
主に兵法・政治・交渉などで用いる硬い表現。現代では、責任や追及から巧みに逃れるという批判的な意味で使われることも多い。「殻だけを残して逃げる」という比喩であり、単なる退却とは異なる。
別表記
- 金蟬脱殼
補足
- 「金銭脱殻」は誤記。正しくは、生き物のセミを表す「金蝉脱殻」。
- 単に逃げる意味だと捉えるのは不十分で、相手を欺くための見せかけやおとりを残す策略をいう。
例文
- 敵軍は前線に少数の兵を残し、主力部隊を密かに撤退させる金蝉脱殻の策を用いた。
- 犯人は偽の足取りを残して捜査を別方向へ向け、自らは金蝉脱殻を図った。
- 交渉が不利になると、彼は別の議題を持ち出して責任問題から金蝉脱殻しようとした。
分類
類義語
- 雲隠れ
- 偽装退却
- 瞞天過海
- 逃走
対義語
- 正々堂々
- 正面突破
- 正面対決