被髪文身
読み方:ひはつ ぶんしん
意味
髪を結わずに垂らし、身体に入れ墨を施すこと。古代中国で、主に東方・南方の周辺民族の風俗として記された表現である。中国の伝統的な華夷観では、漢民族とは異なる「異民族的な姿」を表す語として用いられた。
由来
中国古典『礼記』の「王制」にある「東方曰夷、被髪文身、有不火食者矣(東方を夷といい、髪を垂らし身体に入れ墨をする者がいる)」に基づく。『礼記』は前漢末、紀元前1世紀ごろに戴聖が編纂したと伝えられるが、各篇の成立時期には諸説ある。
備考
現代の特定の民族や入れ墨を「野蛮」とみなす語ではない。古代中国の側から周辺民族を類型化した、歴史的・文献上の表現として扱う必要がある。
補足
- 「被髪」は「ひはつ」と読み、「ひがみ」などとは読まない。
- 「文身」はこの語では一般に「ぶんしん」と読む。
例文
- 『礼記』には、東方の夷の風俗として被髪文身が記されている。
- 研究者は、被髪文身という表現から古代中国の華夷観を読み解いた。
- 博物館の解説では、被髪文身を古代の入れ墨文化と民族認識に関わる語として紹介していた。
分類
類義語
- 断髪文身
- 披髪左衽