虎穴得子
読み方:こけつ とくし
意味
大きな成果や利益を得るためには、ある程度の危険を冒し、困難な状況へ踏み込む必要があるということ。虎の子を得るには、その危険な住みかである虎穴に入らなければならない、というたとえである。単に無謀な行動を勧める語ではない。
由来
中国・後漢の班超の故事に由来する。西域に派遣された班超が、匈奴の使者に対処するため部下を鼓舞した際、「不入虎穴、不得虎子(虎穴に入らずんば虎子を得ず)」と述べたとされる。出来事は後漢の永平16年(73年)ごろで、5世紀前半に范曄が編んだ『後漢書』班超伝に記される。「虎穴得子」はこの句を四字に縮めた表現である。
備考
現代では、もとの形である「虎穴に入らずんば虎子を得ず」のほうが広く使われる。「虎子」は人間の子ではなく虎の子を指す。危険の程度や必要性を見極めず、無謀に行動する意ではない。
誤用・混同注意
- 「虎子」の「子」を人間の子どもと解するのは誤りで、虎の子を指す。
- 危険を冒せば必ず成功するという意味ではなく、大きな成果には相応の挑戦や危険の引受けが必要だというたとえである。
例文
- 海外市場への進出には不確実性もあるが、虎穴得子の覚悟で新規事業を始めた。
- 難関の研究課題に挑むことは虎穴得子であり、失敗を恐れていては大きな発見につながらない。
- 彼は虎穴得子の精神で困難な交渉に臨み、最終的に大型契約をまとめた。
分類
類義語
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず
- 虎穴虎子
- 乾坤一擲
- 一か八か
- 危ない橋も一度は渡れ
対義語
- 君子危うきに近寄らず
- 石橋を叩いて渡る
- 安全第一
- 危険回避