薪尽火伝
読み方:しんじん かでん
意味
薪が燃え尽きても、その火を別の薪へ移せば火は伝わり続けるという意。師から弟子へと学問・技芸・思想・精神などが受け継がれ、個人の命や一代が終わっても、その教えや働きは絶えず続くことをいう。
由来
中国・戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)の思想家・荘子に仮託される『荘子』「養生主」の「指窮於為薪、火伝也、不知其尽也(薪は尽きても火は伝わり、その尽きることを知らない)」に基づく。薪を肉体・個人、火を精神や道統になぞらえ、受け継がれるものの永続性を表した故事成語である。
備考
学問・芸術・技術・宗教などの「教えや精神の継承」に用いる、やや硬い表現。「薪が尽きれば火も消える」という意味ではなく、火が次の薪へ移って続くことをいう。
誤用・混同注意
- 「薪尽火滅」と混同しない。薪尽火伝は、薪が尽きても火を移せば伝わり続けるという意。
- 単に「物事が終わる」という意味で用いるのは誤り。教え・技術・精神などの継承を表す。
例文
- 恩師の研究成果は弟子たちに受け継がれ、まさに薪尽火伝のありさまだ。
- 百年続くこの工房は、職人が技を伝える薪尽火伝の精神によって支えられてきた。
- 創業者は亡くなったが、その理念は後継者へと薪尽火伝されている。
分類
類義語
対義語
- 一代限り
- 後継者断絶
- 伝統断絶