苦海無辺
読み方:くかい むへん
意味
人生やこの世にある苦しみは、果てのない海のように広く深い、という意味。仏教では、迷いや煩悩によって苦しみが続く人間世界を「苦海」という海にたとえる。多大で尽きない苦難・苦悩をいう。
由来
仏教語。「苦海」は、迷い・煩悩や生老病死などの苦しみに満ちた人の世を、渡り切るのが難しい海にたとえた語である。「無辺」は、辺り・限りがないこと。中国仏教圏で用いられた表現で、「苦海無辺、回頭是岸(苦しみの海は果てしないが、迷いを改めればそこが救いの岸である)」という句としても知られる。四字句としての正確な初出年代は不明。
備考
日常会話よりも、仏教・文学的な文脈や、非常に深い苦難を強調する文章で用いられる。「苦海無辺、回頭是岸」と続けて、改心・転換による救いをいうこともある。
別表記
- 苦海無邊
補足
- 「苦界無辺」と書くのは誤り。正しくは「苦海無辺」。
- 「無限の苦しみ」をいう語であり、単に忙しい・少し大変という程度の状況には重すぎることがある。
例文
- 度重なる災害の被災者にとって、復興までの日々はまさに苦海無辺と感じられただろう。
- 借金と病気が重なり、彼は苦海無辺の苦しみの中にいた。
- 仏教では、苦海無辺の現世から迷いを離れ、悟りへ向かうことが説かれる。