腹背受敵
読み方
ふくはい じゅてき
意味
前方と後方の両方から敵の攻撃を受け、逃げ場や対応の余地が少ない苦しい状況に置かれること。もとは戦場での挟み撃ちを指すが、現代では、仕事・経営・政治などで複数の方面から圧力や問題を受ける場合にも用いる。
由来
中国の歴史書『魏書』の「崔浩伝」などに見られる漢文表現に由来するとされる。「腹」は前方、「背」は後方、「受敵」は敵の攻撃を受ける意で、前後から敵に攻められる状況を表した。『魏書』は北斉の魏収が6世紀中頃(554年ごろ)に編纂した史書で、日本には漢籍の受容を通じて伝わり、四字熟語として定着した。
備考
本来は軍事用語である。現在は、二方向以上から同時に圧力・批判・問題を受ける比喩として使われる。「四面楚歌」は周囲すべてに敵対者がいる状態をいうため、完全な同義語ではない。
例文
- 敵軍に退路を断たれた部隊は、前後から攻め込まれて腹背受敵の苦境に陥った。
- その企業は、競合他社の値下げと原材料費の高騰により、腹背受敵の状態にある。
- 党内からの反対と世論の批判が重なり、指導部は腹背受敵となった。
類義語
- 前後挟撃
- 挟み撃ち
- 四面楚歌