能事畢矣
読み方:のうじ ひつい
意味
自分にできること、またはなすべきことをすべてやり終えたという意味。持てる力や手段を十分に尽くし、これ以上付け加えて行うことがない状態をいう。仕事・研究・創作などを完成させた際に、やや格調高く用いる。
由来
中国・南朝宋の劉義慶が5世紀前半(およそ430年ごろ)に編纂した『世説新語』に見える語とされる。「能事」はなしうる事柄・力量の及ぶ仕事、「畢」は終える、「矣」は完了を表す文末の助字である。つまり「できることはすべて終えた」という原義から、力を尽くしてやり終える意となった。
備考
日常会話よりも、文章語・格調高い表現として用いられる。「十分に力を尽くして終えた」という達成感を表す一方、「現状ではこれ以上できない」という限界の含みを持つこともある。
補足
- 「能事必矣」と書くのは誤り。正しくは、終える意味の「畢」を用いて「能事畢矣」とする。
- 単に「成功した」という意味ではなく、可能な努力や手段をすべて尽くしたことを表す。
例文
- 長年の調査を反映した報告書が完成し、担当者は「これで能事畢矣だ」と語った。
- 復元に必要な資料を集め、検証も重ねたので、現段階でなしうる作業は能事畢矣といえる。
- 彼は持てる技術をすべて作品に注ぎ込み、能事畢矣という思いで筆を置いた。
分類
類義語
- 大功告成
- 完全燃焼
- やり尽くす
対義語
- 未完成
- 中途半端
- 志半ば