背井離郷
読み方:はいせい りきょう
意味
故郷や生まれ育った土地を離れ、遠い他郷へ移り住むこと。生活のため、戦乱・災害・政治的事情などによって、やむを得ず故郷を去るという寂しさや苦労を伴う場合に多く用いる。
由来
元代(14世紀頃)の中国の雑劇、賈仲名の「対玉梳」第一折にある「離郷背井、進退無門」という句に基づくとされる。「井」は単なる井戸ではなく、井戸を共有して暮らす集落・故郷を指す。「井を背にし、郷を離れる」ことから、故郷を離れて他郷へ行く意味になった。現在の「背井離郷」は、原句の語順を入れ替えた形である。
備考
やや硬い文章語で、故郷を離れて遠方で暮らすことをいう。一時的な旅行や気軽な引っ越しには通常用いず、離別の悲哀や、やむを得ない事情を伴う文脈に適する。
別表記
- 背井離鄕
誤用・混同注意
- 「井」を単なる井戸と解し、「井戸から離れる」という意味だけにするのは不正確。「井」は集落・故郷をも表す。
- 単なる旅行や短期滞在の意味で用いるのは不自然。通常は故郷を離れて他郷に移り住むことをいう。
例文
- 戦乱を逃れるため、多くの人々が背井離郷を余儀なくされた。
- 彼は若くして背井離郷し、都会で働きながら家族を支えた。
- 移民たちの手記には、背井離郷の寂しさと新天地への希望が記されている。
分類
類義語
- 離郷背井
- 故郷離別
- 流離転々