羽化登仙
読み方:うか とうせん
意味
人が羽の生えた仙人のように姿を変え、仙界へ登ること。転じて、俗世間の束縛や苦しみを離れ、超然とした高い境地に達すること、または心身が軽やかになって現実を超えたような気分になることをいう。
由来
中国・北宋の文人、蘇軾(そしょく)が1082年(元豊5年)ごろに作った「前赤壁賦」の「羽化而登仙(羽化して仙に登る)」に基づく。舟上で赤壁の月夜の景色を楽しむ心境を、世俗を離れて仙人となり天上へ昇るかのようだと表現した句で、「而」を省いて四字熟語化した。
備考
道教の仙人思想を背景とする文学的・雅語的な表現で、日常会話ではあまり用いない。「羽化」は昆虫が成虫になる意味でも使われるが、本来は仙人へ変化するイメージを表す。
補足
- 「羽化」を昆虫が成虫になる意味だけで捉えるのは不十分で、この語では仙人のように変化して天上へ昇る道教的なイメージをいう。
例文
- 山頂で雲海を眺めていると、俗世を離れた羽化登仙の気分になった。
- 名演奏に耳を傾けるうち、聴衆は羽化登仙ともいうべき恍惚の境地に包まれた。
- 作者は、月下の舟遊びを羽化登仙の思いとして描き、自然との一体感を表した。
分類
類義語
- 羽化成仙
- 飛昇成仙
- 超凡入聖
対義語
- 凡夫俗子
- 肉体凡胎