竜女成仏
読み方:りゅうにょ じょうぶつ
意味
竜王の娘である竜女が仏になること。転じて、女性も悟りを開いて成仏できることをいう。古くは女性が仏になれないとする考え方があったため、それを乗り越える象徴として用いられる。
由来
仏典『法華経』の「提婆達多品」に基づく。後秦の鳩摩羅什による漢訳『妙法蓮華経』は406年に訳出されたとされる。同品では、八歳の竜王の娘(竜女)が優れた悟りを示し、仏前で即座に成仏することが説かれる。なお経文上は竜女が男子に変じた後に成仏する描写であるが、日本では女性の成仏可能性を示す語として重視された。
備考
主に仏教・宗教史・文学研究で用いる語。一般的な日常会話で「女性が成功する」という意味に安易に使うと、宗教的背景や性別観に関する文脈を見失うことがある。
別表記
- 龍女成仏
- 竜女成佛
- 龍女成佛
補足
- 「竜女成仏」を、単に「女性の成功」や「女性の出世」を表す一般的な四字熟語として解釈するのは不正確である。
- 経典の原文では竜女は男子に変じて成仏する描写であり、「女性の身体のまま成仏した」と単純化しすぎないよう注意が必要である。
例文
- 法華経に説かれる竜女成仏は、女性の救済を考えるうえで重要な教説である。
- この絵巻は、竜女成仏の場面を華やかな色彩で表している。
- 彼女は竜女成仏の思想に、既成の価値観を越える希望を見いだした。