禽困覆車
読み方:きんこん ふくしゃ
意味
追い詰められて逃げ場を失った鳥獣は、車をひっくり返すほど必死に抵抗するという意。転じて、窮地に置かれた者は捨て身の反撃をして予想以上の力を発揮するため、むやみに追い詰めてはならないというたとえ。
由来
中国の歴史書『史記』の「甘茂列伝」に見える「禽困覆車」の句に基づく。戦国時代の人物を扱う記事の中で、窮地の者を侮ってはならないという趣旨で用いられた。『史記』は前漢の司馬遷が紀元前1世紀ごろに編纂した書物である。
備考
「禽」は鳥だけでなく、広く鳥獣を指す語。日常会話ではまれで、文章語・故事成語として用いられる。単なる「必死の努力」ではなく、追い詰められた者の危険な反撃という含みがある。
誤用・混同注意
- 「禽困復車」とは書かない。正しくは「禽困覆車」で、「覆」は「くつがえす」の意。
- 「禽」を単に「とり」と読まず、熟語全体では通常「きんこんふくしゃ」と読む。
例文
- 交渉相手を一方的に追い込めば、禽困覆車の反撃を招きかねない。
- 彼らは敗北寸前だったが、禽困覆車ともいうべき執念で強敵に立ち向かった。
- 経営陣は、解雇を迫られた社員による禽困覆車の抵抗を軽視していた。