神通妙用
読み方:じんつう みょうよう
意味
仏や悟りを得た者がもつ、人知を超えた不思議な力と、そのすぐれた働きのこと。転じて、常人にはまねできないほど巧みで神秘的な働きや手腕をいう。禅の文脈では、特別な奇跡に限らず、日常の行為に現れる自在な働きも指す。
由来
仏教語。「神通」は仏・菩薩や修行者に備わる超人的で不可思議な能力、「妙用」は言葉では測りがたい巧みですぐれた働きをいう。唐代の禅者・龐蘊(ほううん、龐居士、~808年)に帰される偈「神通並妙用、運水及搬柴(神通ならびに妙用、水を運び柴を運ぶ)」に見られる表現に基づく。『景徳伝灯録』は北宋の景徳元年(1004年)に成立した禅宗の灯史で、この偈を伝える。
備考
やや文語的・宗教的な語で、日常会話では多用しない。禅語では「運水搬柴」と結び付き、平凡な日常労働にも悟りの働きが現れるという趣旨で用いられる。
誤用・混同注意
- 奇術や超能力だけを指す語と誤解されがちだが、禅語では水くみや薪運びなどの日常的な行為に現れるすぐれた働きもいう。
例文
- 禅では、水をくみ薪を運ぶ日常の営みにこそ神通妙用が現れると説く。
- 熟練した職人は限られた道具だけで、神通妙用ともいうべき見事な手際を見せた。
- 師は弟子に、特別な奇跡を求めるのではなく、目の前の仕事に神通妙用を見いだしなさいと教えた。
分類
類義語
- 神通力
- 神変自在
- 不可思議
対義語
- 平凡無奇
- 平淡無奇
- 凡庸