知止不殆
読み方:ちし ふたい
意味
自分が進むべき限度や、やめるべき時をわきまえていれば、危険な状態や失敗に陥らずにすむという意味。欲望のままに無理を重ねず、適切なところで満足し退くことの大切さをいう。
由来
中国古典『老子』第44章の「知足不辱、知止不殆、可以長久(足るを知れば辱められず、止まるを知れば危うからず、もって長久なるべし)」に基づく。『老子』は春秋戦国時代、紀元前5~3世紀ごろに成立したとされる道家の思想書である。
備考
「止」は単なる停止ではなく、身を引くべき限度・時機を知る意。「知足不辱」と対にして、「知足不辱、知止不殆」と用いられることも多い。戒めや処世訓として使われる。
補足
- 「殆」を「怠」と書くのは誤り。正しくは「知止不殆」。
- 「知止」は「ちし」と読み、「ちどめ」などとは読まない。
例文
- 事業を拡大するだけでなく、採算が合わない部門からは撤退するという知止不殆の判断も必要だ。
- 彼は名誉欲に流されず、任期の区切りで退任した。まさに知止不殆を実践した姿勢といえる。
- 投資では利益が出ているうちに手仕舞いすることも大切であり、知止不殆の心得が求められる。