真俗二諦
読み方:しんぞく にたい
意味
仏教で説く二つの真理、すなわち、日常世界の因果や言葉の上で成り立つ相対的な真理である「俗諦」と、執着や分別を超えた究極の真理である「真諦」をいう。両者は対立するものではなく、仏教の真理を理解するための二つの側面とされる。
由来
インド仏教の「二諦」説に基づく語。龍樹(ナーガールジュナ、2~3世紀頃)の思想を伝える『中論』には、世俗の真理(世俗諦)と究極の真理(第一義諦)という二つの真理が説かれている。これが中国で漢訳・受容される過程で、「第一義諦」を「真諦」とも呼び、「真俗二諦」という表現が用いられるようになった。日本には飛鳥・奈良時代以降、仏教教学とともに伝来した。
備考
主に仏教哲学・教学で用いる専門語で、日常会話ではほとんど使わない。「真諦」は究極的真理、「俗諦」は世間的・慣習的真理を指す。「諦」はこの語では通常「たい」と読む。
誤用・混同注意
- 「しんぞくにてい」と読むのは一般的でない。通常は「しんぞくにたい」と読む。
- 「真諦」と「俗諦」を、単純に一方が正しく他方が誤りであるという意味に解するのは不正確。
例文
- 大乗仏教では、真俗二諦を理解することが空の思想を学ぶ基礎となる。
- 僧は、真俗二諦の立場から、日常の規範を守りながら究極の悟りを求めるべきだと説いた。
- この注釈書は、真俗二諦の関係を丁寧に説明している。
分類
類義語
- 二諦
- 真諦俗諦
- 世俗諦・第一義諦