検索

現成公案

読み方:げんじょう こうあん

意味

禅宗、特に道元の思想において、悟りや仏法の真理が抽象的な課題ではなく、いま現れている自己・他者・万物のあり方として、そのまま実現していること。日常の行為や出会いを通じて、仏道の根本問題が具体的に示されているという意味でいう。

由来

禅語。「現成」は、現に成り立つこと・真実が目の前に現れること、「公案」は禅で悟りを深めるための根本的な課題・判断の基準をいう。鎌倉時代の禅僧・道元(1200〜1253)が、天福元年(1233年)ごろに著した『正法眼蔵』の巻名「現成公案」として特に知られる。道元は、仏法の真理は日常世界を離れた場所にあるのではなく、諸法がありのままに現成するところにあると説いた。

備考

一般的な会話で用いる四字熟語ではなく、主に曹洞宗・禅思想・道元研究の文脈で使われる専門的な仏教語である。「公案」を単なる難問の意味に限定すると、道元の用法を十分に表せない。

誤用・混同注意

  • 「現状公案」などと書くのは誤り。正しくは「現成公案」。
  • 「公案」を単に「答えのないなぞなぞ」と理解するのは不十分で、禅における悟り・真理に関する根本問題を指す。

例文

  • 『正法眼蔵』の「現成公案」を講読し、道元が説く自己と万法の関係について学んだ。
  • 禅の見方では、掃除や食事といった日々の営みも、仏法が現れる現成公案となりうる。
  • 悟りを特別な体験だけに求めず、目の前の出来事を現成公案として丁寧に受け止める。

分類

類義語

この四字熟語に使われている漢字