獺祭魚書
読み方:だっさい ぎょしょ
意味
多くの書物・資料を机上に広げ並べて調べること。また、そのように多数の典拠や資料を集めるさまをいう。カワウソが捕らえた魚を岸に並べる姿を、書物を並べた様子に見立てた語である。
由来
語の基となる「獺祭魚」は、中国古典の礼記「月令」に見える。孟春の候、カワウソが捕らえた魚を岸に並べ、祭りの供物のように見えると記した故事である。礼記の「月令」は戦国時代から前漢期(おおむね紀元前3~前1世紀)に成立した内容を含むとされる。この魚を並べる姿を書物を広げ並べる様子になぞらえて「獺祭魚書」といった。四字の形がいつ定着したかは不詳。
備考
文章語・学術的な文脈で用いられることが多い語で、日常会話ではまれである。日本酒の銘柄「獺祭」は著名だが、この四字熟語は酒に関する語ではない。
誤用・混同注意
- 「獺祭漁書」とは書かない。正しくは「獺祭魚書」。
- 「ださいぎょしょ」と促音を落として読まない。正しくは「だっさいぎょしょ」。
- 日本酒の銘柄「獺祭」に由来する酒の表現だと誤解しない。
例文
- 古典注釈を作るため、研究者は机に辞書や版本を獺祭魚書のように広げた。
- 書斎には参考文献が獺祭魚書の趣で並び、足の踏み場もないほどだった。
- 編集者は獺祭魚書の状態で資料を照合し、作品の典拠を一つずつ確認した。