猿猴捉月
読み方
えんこう そくげつ
意味
猿が水面や井戸の中に映った月を本物と思い、それをつかまえようとすること。転じて、実現不可能なことを求めること、または実体のないものに執着して無駄な努力をすることのたとえ。
由来
仏典の僧祇律に見える、猿たちが井戸の水面に映る月を落ちた月だと思い、取ろうとして失敗する説話に基づく。僧祇律はインドの律を中国で漢訳した仏典で、漢訳は東晋時代の5世紀初頭(およそ416~418年)に行われたとされる。
分類・構成
備考
文章語・教訓的な表現で、日常会話ではあまり多用されない。「月を取る」という行為自体ではなく、水面の月影を実物と誤認して執着する愚かさをいう。
誤用・混同注意
- 単に月を取ろうとする美しい情景の意味と解するのは誤り。水面に映った月を実物と誤認し、不可能なことを求めるたとえである。
- 「捉」を「捕」や「取」と書き換えないよう注意する。標準的な表記は「猿猴捉月」。
例文
- 需要の裏付けもないまま巨額の利益を狙う計画は、猿猴捉月に終わった。
- うわさだけを頼りに失われた財宝を探し続けるのは、猿猴捉月のような試みだ。
- 実現の条件を確かめずに理想だけを追うと、猿猴捉月になりかねない。
類義語
対義語
- 分相応
- 自知之明
- 量力而行