牛衣夜哭
読み方:ぎゅうい やこく
意味
牛に掛ける粗末なむしろ・覆いである「牛衣」を身に着けるほど貧しい夫婦が、夜に泣き悲しむこと。生活が極度に困窮し、夫婦で悲嘆に暮れるさまをいう。転じて、非常な貧困や苦しい境遇を表す。
由来
中国・前漢の王章の故事に基づく。『漢書』王章伝には、貧しかった王章が病気になり、布団もないため牛衣の中に横たわって妻と泣いたという話がある。王章が活動したのは前漢・前1世紀ごろで、『漢書』は後漢初期の1世紀ごろに班固らによって編纂された。この故事から、貧窮する夫婦の悲しみを表す語となった。
備考
現代の日常会話ではあまり用いない文章語・故事成語である。単に夜に泣く意味ではなく、貧困に起因する悲嘆を表す。同じ故事に基づく「牛衣対泣」と混同されやすい。
誤用・混同注意
- 「牛衣対泣」を単なる誤記として扱うのは不適切。同じ故事に基づくが、別の四字熟語として用いられる。
- 単に「夜に泣くこと」の意味で使うのは不適切で、極度の貧困という背景を伴う。
例文
- 事業の失敗後、夫婦は牛衣夜哭の境遇に置かれた。
- 小説は、戦乱によって牛衣夜哭の日々を送る一家を描いている。
- 祖父母は若いころ、牛衣夜哭ともいえる苦しい生活を乗り越えたという。
分類
類義語
- 牛衣対泣
- 赤貧洗うがごとし
- 困窮
対義語
- 富貴栄華
- 裕福