煩悩熾盛
読み方:ぼんのう しじょう
意味
人の心を迷わせ苦しめる欲望・執着・怒り・愚かさなどの煩悩が、火が激しく燃え盛るように強く盛んなこと。仏教では、煩悩を完全には断ち切れない普通の人間のあり方をいう。
由来
「煩悩」は仏教で心身を悩ませ、悟りを妨げる精神的な迷いをいい、「熾盛」は火が燃え盛るように非常に盛んなことをいう仏教語である。両語を結んだ表現は中世仏教文献に見られ、鎌倉時代後期(13世紀末ごろ)成立の『歎異抄』にも「煩悩熾盛の凡夫」として用いられている。
備考
仏教的・文語的な色彩が強い語で、日常会話ではやや硬い。煩悩は単なる欲望だけでなく、貪り・怒り・無知など、心を迷わせる働き全般を指す。自嘲的に用いられることもある。
別表記
- 煩惱熾盛
誤用・混同注意
- 「煩悩至上」と書くのは誤り。正しくは「煩悩熾盛」であり、「熾盛」は火が燃え盛るように盛んなことをいう。
- 「ぼんのうしせい」と読むのは一般的でない。標準的な読みは「ぼんのうしじょう」。
例文
- 仏教の講話では、私たちは煩悩熾盛の凡夫であるからこそ、他者への慈悲を忘れてはならないと説かれた。
- 物欲や名誉欲に振り回される自分を省みて、彼は煩悩熾盛の日々を改めようとした。
- 煩悩熾盛の身であることを自覚するのが、修行の出発点だと老師は語った。
分類
類義語
- 煩悩具足
- 妄念妄想