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無何有郷

読み方:むかゆう の きょう

意味

世俗的な役立ち・利害・価値判断などから離れ、何ものにも束縛されず自由でいられる理想の境地・場所をいう。道家思想に基づく語で、単に「何もない寂しい土地」という意味ではなく、人為的な区別や欲望を超えた安らかな世界を表す。

由来

中国・戦国時代、紀元前4〜3世紀ごろに成立したとされる『荘子』の「逍遥遊」に見える「無何有之郷(むかゆうのきょう)」に由来する。大木を役に立たないものとして捨てず、「無何有之郷、広莫之野」に植えて自由に遊べばよい、という文脈で用いられた。日本では「之」を省いた「無何有郷」も四字熟語として使われる。

備考

主に文学・思想・芸術を論じる場面で用いる雅語。読みは「むかゆうのきょう」。原典の「無何有之郷」や、仮名を交えた「無何有の郷」という表記もある。

別表記

  • 無何有の郷
  • 無何有之郷

補足

  • 「無何有」は「何も有ることが無い」という単純な空虚さだけを表す語ではなく、道家思想における束縛のない自由な境地を指す。
  • 「無可有郷」と書くのは誤り。
  • 原典の「無何有之郷」の「之」を脱字とみなすのは誤りで、「之」は連体修飾を示す語である。

例文

  • 彼の絵は、現実の利害を離れた無何有郷を思わせる世界を描いている。
  • 荘子のいう無何有郷は、単に何もない土地を指すのではない。
  • 忙しい日常から離れ、心の中に無何有郷のような静けさを求めた。

分類

類義語

この四字熟語に使われている漢字