無上正覚
読み方:むじょう しょうがく
意味
この上なくすぐれた、完全で正しい悟りのこと。仏が到達した究極の悟りをいい、すべての迷い・執着・無知を断ち切って真理を完全に悟ることを表す。仏教でいう「無上菩提」や「阿耨多羅三藐三菩提」に当たる。
由来
サンスクリット語の「anuttarā-samyak-saṃbodhi(アヌッタラー・サムヤク・サンボーディ)」、すなわち「この上なく完全な悟り」を漢訳した仏教語である。「無上」は最上であること、「正覚」は正しく完全な悟りを表す。中国では後漢から唐代(2~9世紀頃)にかけて訳出された諸経典に見られ、日本には仏教伝来後の6世紀以降に広まった。
備考
日常会話で用いる語ではなく、仏教経典・仏教思想・法話などで使われる専門的な語である。「無上正等覚」や「無上菩提」は密接に関連する表現だが、字数・訳語の形は異なる。
補足
- 「無常正覚」と書くのは誤り。「無常」は万物が常に変化するという別の仏教概念である。
- 「無上正等覚」は関連する代表的な訳語であり、「無上正覚」の単純な誤字ではない。
例文
- 釈迦は長い修行の末、菩提樹の下で無上正覚を成就したと伝えられる。
- 大乗仏教では、すべての衆生を救うために無上正覚を求める心を菩提心という。
- この経典は、修行者が無上正覚へ至る道を説いている。
分類
類義語
- 無上菩提
- 無上正等覚
- 阿耨多羅三藐三菩提
- 正等覚
対義語
- 無明
- 迷妄