灰身滅智
読み方:かいしん めっち
意味
仏教語。身体を灰のように滅し、知恵・認識のはたらきも滅し尽くすこと。特に、迷いの世界から完全に離れて涅槃に入ることをいう。大乗仏教の教判では、自己の解脱だけを求める小乗の涅槃を表す語として用いられることがある。
由来
中国仏教で用いられた語で、『大智度論』などの仏教文献に見られる。灰身は「身を灰にする」、滅智は「智を滅する」という意味で、肉体と認識作用がともに消滅する涅槃の境地を表した。『大智度論』は鳩摩羅什によって5世紀初頭(402~406年頃)に漢訳されたとされる。
備考
日常会話で使う語ではなく、主に仏教思想・教理の文脈で用いる。単なる「死」や「自殺」を意味する語ではない。大乗仏教では、自己の解脱に偏る立場を表す語として扱われる場合がある。
別表記
- 灰身泯智
誤用・混同注意
- 読みを「かいしんめつち」とするのは一般的ではない。標準的な読みは「かいしんめっち」。
- 「灰心滅智」や「灰身滅知」と書くのは誤り。正しくは「灰身滅智」。
例文
- 大乗仏教では、灰身滅智にとどまらず、衆生を救う菩薩行が重視される。
- この注釈書は、声聞・縁覚が灰身滅智を目指すという教判を解説している。
- 僧侶は灰身滅智という語を、煩悩を離れて涅槃に入ることを示す表現として説明した。
分類
類義語
- 入滅
- 涅槃
- 滅度