殺身成仁
読み方:さっしん せいじん
意味
自分の命や身を犠牲にしてでも、仁義・道徳上の正しい道を守り通し、成し遂げること。私利私欲や生存への執着よりも、人としての道義を優先する強い決意をいう。
由来
中国古典の『論語』衛霊公篇にある孔子の言葉「志士仁人、無求生以害仁、有殺身以成仁(志士や仁人は、生きることを求めて仁を害することはなく、身を殺して仁を成すことがある)」に基づく。孔子が活動した春秋時代、紀元前5世紀ごろの思想を背景とする故事成語である。
備考
主に、信念・正義・道義のために自己を犠牲にする非常に強い決意をたたえる文脈で用いる。日常の小さな我慢には重すぎる表現であり、安易な自己犠牲を勧める語ではない。
補足
- 「殺身成人」と書くのは誤り。正しくは「殺身成仁」。
- 「捨身成仁」と混同されることがあるが、「捨身成仁」は別の四字熟語・類義表現である。
例文
- 彼は不正な命令を拒み、職を失う危険を承知で内部告発した。その姿勢は殺身成仁の覚悟に通じる。
- 歴史上の志士には、国家や民衆のために殺身成仁を貫いた人物が少なくない。
- 殺身成仁という言葉は尊いが、現代では命を大切にしながら正義を実現する方法も考えるべきだ。
分類
類義語
- 殺身取義
- 捨身成仁
- 成仁取義
対義語
- 苟且偷安
- 保身安泰