桀犬吠堯
読み方:けっけん ぎょうに ほゆ
意味
悪王・桀に飼われた犬が、聖王・堯に対しても主人の敵として吠えるということ。人が善悪を正しく判断せず、仕える主人や所属する集団に盲従して、善良で正しい人を非難・攻撃するたとえ。
由来
中国の前漢期、司馬遷が紀元前1世紀ごろに編んだ『史記』の「魯仲連鄒陽列伝」に見える故事による。鄒陽が「桀の犬には堯に吠えさせることができ、盗賊の跖の客には許由を刺させることができる」と述べ、主従関係や党派への盲従によって善人まで敵視することを説いた。
備考
「桀」は中国・夏王朝最後の暴君、「堯」は理想的な聖王とされる人物。単なる犬の習性ではなく、主人や党派への偏った忠誠のために善人を敵視することを批判する表現である。
別表記
- 桀犬吠尭
誤用・混同注意
- 単に「悪人が善人を非難すること」とだけ理解するのは不十分で、主人・主君・党派への盲目的な忠誠から善人を攻撃する意味が中心である。
- 「桀」は促音を用いて一般に「けっ」と読み、「けつけん」とは通常読まない。
例文
- 事実を確かめずに上司の批判を繰り返す彼らの態度は、まさに桀犬吠堯というべきだ。
- 改革者を裏切り者と決めつける派閥の反応には、桀犬吠堯のような盲目的忠誠が見られた。
- 相手の人格ではなく所属だけで敵味方を決めると、桀犬吠堯に陥りかねない。