東郭先生
読み方:とうかく せんせい
意味
善悪を見分けず、悪人にまで情けをかけて助けようとする、愚直なお人よしをいう。善良さそのものを褒める語ではなく、相手の悪意や危険性を見抜けないために、かえって害を受けるような人物を、やや批判的・皮肉に表す。
由来
中国・明代(15世紀末〜16世紀初頭)の馬中錫による寓話「中山狼伝」に基づく。東郭先生は、猟に追われた狼を哀れんで袋に隠し助けるが、狼は恩を忘れて先生を食べようとする。この故事から、悪人をもあわれみ、かえって災いを招くほどのお人よしを指すようになった。
備考
多くは「善悪の区別なく悪人を助ける愚かなお人よし」の意で、皮肉や批判を含む。単に親切で人格者であることを褒める表現としては用いない。
補足
- 「東国先生」と書くのは誤り(正しくは「東郭先生」)。
- 単なる「親切な人」「人格者」を褒める意味だと解するのは不正確で、悪人まで助ける善悪不分のお人よしをいう。
例文
- 彼は詐欺だと注意されても相手を信じ込む東郭先生で、何度も利用されている。
- 不正を働いた者までかばうのは、東郭先生の情けでは済まされない。
- 部下の失敗を無条件に肩代わりしていては、東郭先生だと批判されかねない。
分類
類義語
- 好好先生
- 婦人之仁
- 宋襄之仁
- お人よし
対義語
- 冷酷無情
- 厳正無私