宋襄之仁
読み方
そうじょう の じん
意味
時機や状況を考えずに示す、役に立たない情け・慈悲のこと。本来は仁愛のように見えても、必要な決断を妨げ、かえって自分や周囲に不利益を招くような甘さを批判していう。
由来
中国・春秋時代の故事に基づく。紀元前638年ごろ、宋の襄公が楚と泓(こう)で戦った際、楚軍が川を渡り終えず陣形も整っていないうちに攻めるよう家臣から進言されたが、襄公は正々堂々と戦うべきだとして退けた。結果として宋軍は敗北し、この時機を失した情けを「宋襄之仁」という。故事は春秋左氏伝・僖公二十二年に見える。
分類・構成
備考
「仁」の字を含むが、仁愛を褒める言葉ではなく、時機をわきまえない無用な情けを批判する表現である。日常会話では「宋襄の仁」と表記されることも多い。
誤用・混同注意
- 「仁」を肯定的な思いやりの意味で解するのは誤りで、通常は時機を失した情けを批判していう。
- 「宋譲之仁」などと「襄」を別字で書くのは誤り。
例文
- 緊急時に規則違反を見逃すのは、場合によっては宋襄之仁となり、かえって多くの人に危険を及ぼす。
- 期限を大幅に過ぎた応募を特別に受け付けるのは、公平性を欠く宋襄之仁だという意見もある。
- 指揮官は宋襄之仁を戒め、被害の拡大を防ぐために迅速な判断を下した。
類義語
- 婦人之仁
- 小仁小義