望洋之嘆
読み方:ぼうよう の たん
意味
広大な海を見て圧倒される意から、偉大な人物や広大な学問・事業に接し、自分の知識や能力の浅さ、力不足を痛感して嘆くこと。自分より優れたものの存在を知り、謙虚になる場面で用いる。
由来
中国・戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』「秋水」に基づく。秋の増水で大きくなった黄河の神・河伯は自らを偉大だと思っていたが、北海の広大さを見て圧倒された。河伯が海神・若に向かって嘆いた「望洋向若而嘆」が由来である。
備考
単に海を眺めて悲しむことではない。自分を上回る偉大さや規模に接し、自己の力量不足を悟るという、謙遜や奮起を伴う文脈で使う。やや文章語的な表現。
別表記
- 望洋之歎
補足
- 「海を見て感傷に浸ること」という意味ではない。偉大なものに圧倒され、自分の未熟さ・非力を悟ることをいう。
- 「望羊之嘆」と書くのは誤り。正しくは「望洋之嘆」。
例文
- 世界的な研究者たちの議論を聞き、自分の知識の浅さに望洋之嘆を抱いた。
- 壮大な交響曲を前にすると、駆け出しの作曲家は望洋之嘆を禁じ得ない。
- 海外の競合企業の技術力を視察し、社員一同は望洋之嘆を感じると同時に、学ぶべき点を認識した。
分類
類義語
- 自分の非力を痛感すること
- 浅学非才を嘆くこと
- 上には上があると悟ること