暗渡陳倉
読み方
あんと ちんそう
意味
表面上は別の行動をして相手の注意をそちらへ向け、そのすきに本当の目的を秘密裏に実行すること。人を欺くための陽動策や、意表を突く迂回的な戦略をいう。
由来
中国・前漢初期、紀元前206年ごろの故事に基づく。劉邦軍の韓信が、桟道(山中の険しい道)を修復するように見せかけて敵の注意を引き、ひそかに陳倉を通って進軍し、三秦を攻略したという『史記』などに伝わる逸話から生まれた。一般には「明修桟道、暗渡陳倉(明るく桟道を修め、ひそかに陳倉を渡る)」の後半として知られる。
備考
本来は兵法に関する故事で、現在はビジネスや政治などでも、表向きの行動の陰で別の目的を進める意味で用いる。相手を欺くという語感があるため、使用場面には注意が必要。
例文
- 競合他社には既存製品の改良を発表しておき、その間に新市場へ暗渡陳倉の策で進出した。
- 敵軍は正面の桟道に兵を集めたが、味方は暗渡陳倉によって別の経路から城を攻略した。
- 彼らは表向きの交渉を続けながら、暗渡陳倉で有力な取引先との契約をまとめていた。
類義語
- 声東撃西
- 瞞天過海
- 陽動作戦
- 秘密工作