暗夜之錦
読み方:あんや の にしき
意味
暗い夜に美しい錦を着ても誰にも見てもらえないことから、優れた才能・業績・品物などが人に知られず、評価や称賛を受けないことのたとえ。
由来
中国の歴史書『史記』項羽本紀にある「富貴にして故郷に帰らざるは、繍を衣て夜行くがごとし。誰かこれを知る者ぞ」という項羽の言葉に基づく。これは紀元前1世紀ごろに司馬遷が編纂した書であり、「美しい刺繍の衣服を夜に着て歩いても、誰にも分からない」という趣旨から生まれた。
備考
「暗夜の錦」「闇夜の錦」とも書く。単に「夜でも錦が美しい」という意味ではなく、価値あるものが知られず評価されないという、惜しまれる状況をいう。
別表記
- 暗夜の錦
- 闇夜の錦
誤用・混同注意
- 夜でも錦が目立つほど華やかである、という意味に解するのは誤り。
- 「暗闇の錦」は一般に定着した表記ではない。
例文
- 優れた研究も発表の機会がなければ、暗夜之錦に終わってしまう。
- 彼の地道な貢献が暗夜之錦とならないよう、チーム全体で功績を共有した。
- 地方に埋もれた名工の技は、長らく暗夜之錦の状態にあった。
分類
類義語
- 衣繍夜行
- 衣錦夜行
- 夜行被繍
対義語
- 昼錦栄帰
- 衣錦還郷