摂取不捨
読み方:せっしゅ ふしゃ
意味
阿弥陀仏が、念仏する衆生をその光明と慈悲のうちに受け入れ、決して見捨てないこと。浄土教、とくに浄土真宗で、阿弥陀仏の絶対的な救済と慈悲を表す重要な語である。
由来
中国語訳の仏典「観無量寿経」にある「光明遍照十方世界、念仏衆生摂取不捨」に基づく。阿弥陀仏の光明が十方世界を照らし、念仏する衆生を摂め取って捨てない、という意味である。同経の漢訳は一般に5世紀ごろの成立・伝来とされるが、訳者や成立事情には諸説ある。日本では浄土教・浄土真宗の教義語として広く用いられてきた。
備考
主に浄土教・浄土真宗で用いられる仏教語で、日常会話で使うことは多くない。「摂取」はここでは栄養を取る意味ではなく、慈悲によって受け入れ救う意である。
誤用・混同注意
- 「摂取」を栄養を取り入れる意味だけで解釈するのは不適切。ここでは仏が衆生を受け入れ救う意。
- 「摂取不捨」を「摂取不射」などと書き誤らないよう注意する。
例文
- 法話で僧侶は、阿弥陀仏の摂取不捨の慈悲について説いた。
- 苦しみの中にある人も、摂取不捨の教えに支えを見いだすことがある。
- 親鸞の思想を学ぶには、摂取不捨という語が示す救済の考え方を理解することが大切だ。
分類
類義語
- 救済
- 慈悲
- 大悲摂取
- 摂受不捨
対義語
- 見捨てる
- 放棄
- 遺棄