推己及人
読み方:すいこ きゅうじん
意味
自分の立場や気持ちを基準にして、他人の立場や気持ちを思いやること。自分がしてほしいことは人にも行い、自分がされたくないことは人にも行わないという、儒教の「恕(じょ)」の精神を表す。
由来
中国の儒学思想に基づく語で、『論語』雍也篇にある「己欲立而立人、己欲達而達人(己立たんと欲して人を立たし、己達せんと欲して人を達せしむ)」の考え方に由来するとされる。成立時期は春秋時代、紀元前5世紀ごろの孔子およびその弟子たちの言行を伝える『論語』に基づく。
備考
やや硬い書き言葉で、道徳・教育・人間関係について述べる際に用いる。「己を推して人に及ぼす」と訓読して、その意味を説明することもある。
誤用・混同注意
- 「推己及物」と混同しないよう注意。「推己及物」は自分の心を他の物事にも推し及ぼす意で、対象の範囲が異なる。
- 「推己急人」は誤り(正しくは「推己及人」)。
例文
- 相手の事情を自分のことのように考える推己及人の姿勢が、信頼関係を築く。
- 接客では、客の立場を想像して行動するという推己及人の心が大切だ。
- 彼女は困っている同僚を進んで助けるなど、推己及人を実践している。
分類
類義語
- 己所不欲勿施於人
- 推己及物
- 恕の心
- 思いやり
対義語
- 自己中心
- 利己主義