懐橘遺親
読み方
かいきつ いしん
意味
橘を懐に入れて親に持ち帰る意から、親、特に母を深く思い、心を尽くして孝養することをいう。子が親を大切にする親孝行のたとえ。
由来
後漢末から三国時代にかけての人物である陸績の逸話に基づく。陳寿が3世紀末に編んだ『三国志』呉書「陸績伝」には、6歳の陸績が袁術から出された橘を3個懐に入れ、母に持ち帰ろうとしたとある。「橘を懐にし、親に贈る」という内容を後に四字にまとめた語である。逸話の出来事の正確な年は不明。
分類・構成
備考
故事・漢文調で用いられる非常に稀な語で、日常会話では「親孝行」と言うほうが自然。「遺」は「のこす」ではなく、「贈る・届ける」の意である。
誤用・混同注意
- 「懐橘遺母」は故事中の母に引かれた変形であり、定着した四字熟語は「懐橘遺親」。
- 「遺」を「のこす」と解するのは誤りで、この語では親に贈る・届ける意である。
例文
- 陸績が橘を母に持ち帰ろうとした話は、懐橘遺親の故事として伝えられている。
- 年老いた両親を献身的に世話する彼女の姿には、懐橘遺親の心が表れている。
- 道徳の授業で懐橘遺親を取り上げ、親を敬う気持ちについて話し合った。
類義語
- 扇枕温衾
- 老莱戯彩
- 親孝行
対義語
- 親不孝
- 不孝不忠