慎終追遠
読み方
しんしゅう ついえん
意味
父母の死に際しては礼を尽くして慎み深く葬り、遠い昔の祖先も忘れずに追慕して祭ること。転じて、祖先や自分の根本・恩を忘れず、敬意をもって大切にする態度をいう。
由来
中国古典『論語』の「学而」篇にある曾子(紀元前6~5世紀ごろ)の言葉「慎終追遠、民徳帰厚矣」に基づく。「終」を父母の死と葬礼、「遠」を遠い祖先と解し、葬儀や祖先祭祀を丁重に行えば、人々の徳は厚くなるという儒教的な教えを表す。『論語』の成立は戦国時代(おおむね紀元前5~3世紀ごろ)とされる。
分類・構成
備考
本来は儒教における葬礼・祖先祭祀の重要性を説く語である。現代では、祖先への敬意に限らず、恩人・創始者・物事の根本を忘れない姿勢を述べる際にも用いられる。
誤用・混同注意
- 「追遠」を「遠いものを追いかける」という意味に解するのは誤り。ここでは遠い祖先を追慕し、祭祀することをいう。
例文
- 先祖の墓を守り続けるこの地域には、慎終追遠の精神が今も息づいている。
- 彼は毎年の法要を欠かさず営み、慎終追遠を大切な家訓としている。
- 企業の創立記念日に創業者の功績を顕彰する姿勢には、慎終追遠の考え方が見られる。
類義語
- 報本反始
- 先祖供養
- 孝行
対義語
- 数典忘祖
- 忘恩負義