慈悲忍辱
読み方:じひ にんにく
意味
他者をいつくしみ、苦しみを取り除こうとする心(慈悲)をもち、侮辱・苦難・不当な扱いにも怒りに任せず耐え忍ぶこと(忍辱)。仏教で重んじられる、思いやりと忍耐の徳を表す。
由来
「慈悲」と「忍辱」は、ともに古代インド仏教に由来する仏教語である。慈悲は衆生に幸福を与え苦しみを除こうとする心、忍辱は屈辱や苦難を耐え忍ぶ修行をいう。忍辱は六波羅蜜の一つにも数えられる。中国語仏典の漢訳を通じて日本へ伝来したと考えられるが、「慈悲忍辱」という四字の定着時期は不詳。
備考
主に仏教的・道徳的な文脈で用いる語。「忍辱」は単なる我慢ではなく、怒りや恨みにとらわれず苦難を受け止める修行の意を含む。日常会話ではやや硬い表現。
誤用・混同注意
- 「忍辱」を「にんじょく」と読まない。四字熟語としては「にんにく」が一般的な読み。
- 「忍辱」は屈辱にただ従うことではなく、怒りを抑えて耐え忍ぶ仏教的修行を指す。
例文
- 指導者には、弱い立場の人を思いやる慈悲忍辱の心が求められる。
- 理不尽な批判を受けても、彼は慈悲忍辱の態度を崩さず、静かに対話を続けた。
- 僧は慈悲忍辱を日々の修行の指針として、人々に接した。