愚者千慮
読み方
ぐしゃ せんりょ
意味
愚かな者であっても、何度もよく考えれば、千回のうちには一つくらいは役に立つ考えや優れた意見を得ることがある、という意味。人の意見を軽んじず、広く耳を傾けるべきだという教えとして用いる。通常は「愚者千慮、必有一得(ぐしゃせんりょ、ひつゆういっとく)」の形でいう。
由来
中国前漢時代(紀元前2世紀ごろ)に司馬遷が編んだ歴史書『史記』の「淮陰侯列伝」に見える句「智者千慮、必有一失。愚者千慮、必有一得」に基づく。知者でも多く考えれば失敗があり、愚者でも十分に考えれば一つは得るところがある、という趣旨である。
分類・構成
備考
単独でも使うが、本来は「愚者千慮、必有一得」という八字句の前半である。自分をへりくだっていう場合や、立場の弱い人の意見も尊重すべきだと述べる場合に用いる。「愚者」を他人に直接向けると侮蔑的に響くことがある。
誤用・混同注意
- 「愚者千考」「愚者千慮一得」と書くのは一般的な定型ではない。標準的には「愚者千慮」または「愚者千慮、必有一得」という。
- 「愚者千慮、必ず一得あり」を、愚かな人なら必ず良い案を出せるという断定の意味に誤解しない。多く考えることや多様な意見を聞くことの大切さをいう表現である。
例文
- 経験の浅い社員の案にも耳を傾けよう。愚者千慮というように、そこに意外な解決策があるかもしれない。
- 自分では拙い意見だと思いますが、愚者千慮の一得になれば幸いです。
- 会議では役職にかかわらず発言を求めた。愚者千慮の教えを実践するためである。
類義語
- 愚者一得
- 愚者一得の考え
- 智者千慮必有一失