悪魔調伏
読み方:あくま ちょうぶく
意味
仏教で、修行を妨げる悪魔・悪霊や怨敵を、仏の力・仏法によって鎮め従わせること。また、心中に生じる煩悩、迷い、邪悪な衝動などを打ち伏せることのたとえにもいう。
由来
「悪魔」は仏道修行を妨げる魔(マーラ)、「調伏」は力や教えによって荒々しいものを鎮め、従わせる意の仏教語である。古代インド仏教の思想を、2~5世紀頃に中国で漢訳された仏典が伝えた語彙に基づく。日本には仏教伝来後の飛鳥時代(6世紀後半)以降に定着したと考えられる。特定の一書のみを典拠とする故事成語ではない。
備考
本来は仏教、とくに密教などで用いられる語。現代では、外的な悪霊だけでなく、煩悩・誘惑・邪念を克服する意味にも用いる。「調伏」は「調服」と書かない。
誤用・混同注意
- 「悪魔調服」は誤りで、正しくは「悪魔調伏」。
- 単に相手を力で屈服させる意味と誤解されやすいが、本来は仏法によって魔や煩悩を鎮め従わせる意。
例文
- 修行者は坐禅を通じて心の煩悩を抑え、悪魔調伏を目指した。
- 祈祷の場では、災いをもたらす魔を退ける悪魔調伏の法が修されることがある。
- ここでいう悪魔調伏は、他人を屈服させる意味ではなく、自分の中の恐れや欲望を克服するという比喩だ。
分類
類義語
- 降魔成道
- 魔障退散
- 破邪顕正