破邪顕正
読み方:はじゃ けんしょう
意味
邪悪な考え方や誤った教えを打ち破り、正しい道理・教えを明らかにすること。もとは仏教で、正しい仏法を示すために異説や邪説を論破する意で用いられた。転じて、誤りを正して正しい考えを広めることにもいう。
由来
仏教語。「邪」を破り、「正」を顕す、すなわち誤った教説を退けて正しい仏法を明らかにするという意から成る。中国仏教の経論・注釈類で用いられてきた表現で、厳密な初出の年代は未詳である。日本では平安末~鎌倉時代以降、仏教諸宗の教義論争でも重要な語となり、鎌倉時代初期には解脱房貞慶(1155~1213)の著作名『破邪顕正』にも見られる。
備考
本来は仏教、とくに教義をめぐる論争で用いられる語である。現代では「誤りを正し、正しい考えを示す」という比喩的な意味でも使うが、強い批判的・論争的な響きを伴う。
別表記
- 破邪顯正
補足
- 「破邪顯正」は旧字体を用いた表記であり、現代の常用漢字表記は「破邪顕正」。
- 単に相手を打ち負かすことを指す語ではなく、誤った説を退けて正しい教え・道理を明らかにすることをいう。
例文
- 僧は破邪顕正の立場から、仏法を誤って解釈する説を批判した。
- その論文は、根拠のない風説を退け、科学的知見を示すという破邪顕正の姿勢を貫いている。
- 議論の目的は相手を攻撃することではなく、破邪顕正によって正しい理解を広めることだ。
分類
類義語
- 破邪立正
- 邪正分明
- 勧善懲悪
対義語
- 邪説流布
- 正邪混淆